2012年 10月 04日
白い声 |
ボーイソプラノが空に円を描く。
私だけの空。
日が落ちる前にダイヤモンドヘッドの上の空が
真っ白に発光してあらゆるものが金色に満ちる。
iPodから聴こえる神に届く為のまっすぐ
ひんやりした白い声に指先から溜まっていた雫が落ちて行った。
たくさんの人にお祝いの言葉や贈り物を頂く。
私より私を知っていると想わせるひとつひとつの包みに
涙がぼろぼろ止まらなくなった。
手書きのカードや手紙は何より愛しい。
忙しいのに一瞬でもと入れかわり立ちかわり
空港から笑顔を見せてはすぐに飛び立って行く姿を
映画を観るように心の底に焼きつけた。
日本に理由があってまだ一緒に来れない犬2匹の
身体の状態の検査が良好と伝えられる。
部屋にいても車を運転していても
必ずふっと香るあの甘い匂い。
傍にいてくれてるのを感じる。
私に届くものはいつかの私が放ったもの。
だけどこんなわずかな時間に濃密な喜びが総動員するなんて、
何回手を合わせたかわからない。
自分の内側にある普段カオスのままの部分が
次々あるべき場所へ浮かんでは落ち着いて
次の絵を照らす。
そんな数日だった。
うまれた日の頃とは
そんな風に自分を魅せてくれる。
柔らかく香りの高い土に種を蒔き実りを待つ。
遮るものは何もない美しいサイクルの中で。
白い声は天空の色。
by 333suisei
| 2012-10-04 05:04
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